三月も終わりが近づいております。卒業・進学・就職の季節ですね。ご子息ご令嬢がこれから新生活をはじめる、一人暮らしに備えて引っ越しの準備を、という方もたくさんいらっしゃることでしょう。
25年ほど昔になりますが、わたしが一人暮らしをしていた学生時代は、余程自炊をしない男性以外は「やかん」を持っていました。甥っ子や姪っ子に聞いたところ、最近は電気ケトルが主流になっていることから「やかん」を持っていない一人暮らしの方が多いようです。
なぜ、わたしがこんな話を言い出したかといいますと「やかんがないから麦茶が煮出せない」「急須もないからお茶を淹れることができない」という話を聞いたからです。
【食育として、お茶の飲み方を…】
自宅で食事をする際にはペットボトル入りの飲料を飲めば済む・・・ということなのですが、冷たい飲み物ばかりというのもちょっと寂しい感じがします。また、お茶ではなくジュースや炭酸飲料などでご飯を食べるなんていう話もよく聞きます。
『食育』ということばが盛んに用いられるようになって、ずいぶん経ちます。「一人暮らし」をはじめるタイミングで、自炊を覚えるひとは多いでしょう。これから旅立つご子息ご令嬢に、調理方法を教えていく際、ぜひお茶の淹れ方を教えてください。また、やかんや急須も持たせてください。
一人の部屋で食べる食事に、少しでも温かさを。そして正しい食文化と栄養学を身に着けるためにも伝統のお茶をぜひ。お茶文化に携わるひとりの人間として、また一人暮らしの先輩としての願いです( *´艸`)。